魔力を失った少女は婚約者から逃亡する
「え? って。私、その、致してませんよ」
「いや、それはわかってる。その場合は、もっと魔力が回復するはずだからな」
レインの両手を握ったまま、トラヴィスは考える。前回、レインの魔力が回復したときはたったの二だったが、その前に何をしたか。今回、何をしていたか。
「レイン。口づけをしてもいいだろうか」
「え」
あらためてそんなことを聞かれると、恥ずかしい。
「あ、はい」
だけど、頷いてしまう。トラヴィスがレインの顎に手を添えた。今までは不意打ちが多かったから、こんな今からします的に手を添えられてしまうと恥ずかしい。ぎゅっと目を閉じる。
ふんわりと唇に柔らかいものが触れて、そしてその舌で無理やりこじ開けられた。思わず、目も開ける。
息を継ごうとするたびに甘い声が漏れてしまう。力が抜けそうになりトラヴィスに身体を預けるようになったところで、トラヴィスが離れた。
「すごい、すごいぞレイン。魔力が五十も回復している。やはり、そういうことか」
ああ、このトラヴィスは研究モードに入っている。やばい、とレインの第六感が告げている。
「レイン。もう一度試してもいいだろうか」
トラヴィスが再び、頬に手を添えてくる。
「いえ、無理です」
きっぱりと答える。
「どうして? 君の魔力回復について、もう少しでわかりそうなのに」
「それ以上は、変な気持ちになるので無理です」
トラヴィスは固まった。
「いや、それはわかってる。その場合は、もっと魔力が回復するはずだからな」
レインの両手を握ったまま、トラヴィスは考える。前回、レインの魔力が回復したときはたったの二だったが、その前に何をしたか。今回、何をしていたか。
「レイン。口づけをしてもいいだろうか」
「え」
あらためてそんなことを聞かれると、恥ずかしい。
「あ、はい」
だけど、頷いてしまう。トラヴィスがレインの顎に手を添えた。今までは不意打ちが多かったから、こんな今からします的に手を添えられてしまうと恥ずかしい。ぎゅっと目を閉じる。
ふんわりと唇に柔らかいものが触れて、そしてその舌で無理やりこじ開けられた。思わず、目も開ける。
息を継ごうとするたびに甘い声が漏れてしまう。力が抜けそうになりトラヴィスに身体を預けるようになったところで、トラヴィスが離れた。
「すごい、すごいぞレイン。魔力が五十も回復している。やはり、そういうことか」
ああ、このトラヴィスは研究モードに入っている。やばい、とレインの第六感が告げている。
「レイン。もう一度試してもいいだろうか」
トラヴィスが再び、頬に手を添えてくる。
「いえ、無理です」
きっぱりと答える。
「どうして? 君の魔力回復について、もう少しでわかりそうなのに」
「それ以上は、変な気持ちになるので無理です」
トラヴィスは固まった。