魔力を失った少女は婚約者から逃亡する
「それの許可は俺ではなく、トラヴィスに取れよ」
「いえ。その、体調が悪くて伏せっているとお聞きしていたので。そのわりには、いつの間にか団長と結婚までしているし。だから、そういったことはライトさんにお尋ねした方がよろしいのかと思いまして」
「まあ、体調の方は。大丈夫じゃないか?」
認めたくないけど、恐らく、魔力は戻っているはず。
「では、レインさんをさらう許可が出たと思って、よろしいでしょうか」
「一応、本人も魔導士団のほうに復帰するつもりではいるようだが」
そこでライトは腕を組んだ。
「だけどな。結局、魔導士団に戻ったとしても、レインのことをないがしろにするんじゃないのか?」
鋭く突き刺さるような冷たい視線。その視線はドニエルの心に突き刺さる。
「ああ、ライトさん。ごめんなさい」
いきなりドニエルが謝り出した。もしかして、魔導士団全体で彼女を仲間外れにしている、という自覚があるということか。
「私たちもレインさんのことは気にしていたのです。ですが、団長が……」
と再びドニエルの口からトラヴィスが登場したことで、雲行きの怪しさを感じる。
「いえ。その、体調が悪くて伏せっているとお聞きしていたので。そのわりには、いつの間にか団長と結婚までしているし。だから、そういったことはライトさんにお尋ねした方がよろしいのかと思いまして」
「まあ、体調の方は。大丈夫じゃないか?」
認めたくないけど、恐らく、魔力は戻っているはず。
「では、レインさんをさらう許可が出たと思って、よろしいでしょうか」
「一応、本人も魔導士団のほうに復帰するつもりではいるようだが」
そこでライトは腕を組んだ。
「だけどな。結局、魔導士団に戻ったとしても、レインのことをないがしろにするんじゃないのか?」
鋭く突き刺さるような冷たい視線。その視線はドニエルの心に突き刺さる。
「ああ、ライトさん。ごめんなさい」
いきなりドニエルが謝り出した。もしかして、魔導士団全体で彼女を仲間外れにしている、という自覚があるということか。
「私たちもレインさんのことは気にしていたのです。ですが、団長が……」
と再びドニエルの口からトラヴィスが登場したことで、雲行きの怪しさを感じる。