魔力を失った少女は婚約者から逃亡する
「私たちがレインさんに声をかけようとするとですね、どこからか団長が降って湧いて出て、邪魔をするわけです。それもですね、男だけでなく、女性がレインさんに声をかけようとしても、それを邪魔するんです。本当に、彼女に近づこうとする老若男女すべての人類を、敵だと思っているようなんですよ。異常ですよね? 本当にレインさんは団長と結婚して良かったんですかね? ライトさん、よくお認めになりましたね」
ドニエルが一気にそれを吐き出したのは、川の水を止めていた堰が外れたかのように、彼の中の堰がどこかへ飛んでいってしまったのだろう。しかも、相手がライトということもあり、余計にそれが吹っ飛んでいったものと推測する。
「だったら、今のまま、レインが魔導士団へ戻ったとしても同じことが起きるだろう」
ため息と共に言葉を吐き出すライト。
「だから、ライトさんに助けを求めているわけです」
わざわざ彼がここに来た理由はそれが原因か、と思った。
「レインさんが急に休団されたのも、団長が監禁したとか、孕ませたとか、そんな噂が立ったくらいですよ」
こそりとドニエルが言うが、その噂をライトは耳にしたことはない。恐らく、というか絶対、関係者の耳に入らないように、と情報が統率されていたのだろう。
ドニエルが一気にそれを吐き出したのは、川の水を止めていた堰が外れたかのように、彼の中の堰がどこかへ飛んでいってしまったのだろう。しかも、相手がライトということもあり、余計にそれが吹っ飛んでいったものと推測する。
「だったら、今のまま、レインが魔導士団へ戻ったとしても同じことが起きるだろう」
ため息と共に言葉を吐き出すライト。
「だから、ライトさんに助けを求めているわけです」
わざわざ彼がここに来た理由はそれが原因か、と思った。
「レインさんが急に休団されたのも、団長が監禁したとか、孕ませたとか、そんな噂が立ったくらいですよ」
こそりとドニエルが言うが、その噂をライトは耳にしたことはない。恐らく、というか絶対、関係者の耳に入らないように、と情報が統率されていたのだろう。