魔力を失った少女は婚約者から逃亡する
「副団長。話が長いです。いつまで待たせる気ですか?」
 と背中まである茶色の髪をハーフアップにまとめている女性。魔導士団のローブを着ているから、間違いなく魔導士。

「副団長は、やっぱり団長が怖いんですね」
 肩で切りそろえた髪を揺らしている女性。こちらも間違いなく魔導士。

「レインさん。初めまして。レインさんとは同期になります」
 と長い髪を高い位置で一つにまとめた女性。女性が三人も。

「彼女たちが、レインさんのサポートに入ります」
 と、たじたじになりながらも、最後はドニエルが締めた。

「ということで。早速ですが。団長もいないし、お茶にしましょう」
 ハーフアップの女性が頬の脇で両手をパチンと叩いて、首を傾けた。よくわからないけれど、彼女たちについていくことになったレイン。
 復帰早々、わけがわからない。

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