魔力を失った少女は婚約者から逃亡する
 美味しいお菓子とお茶と、そして女性が四人も集まれば、時間というものはあっという間に過ぎるもの。
 あれ、今日、仕事してなくない? とレインは思って少々焦るのだが。

「今日のレインさんのお仕事は、私たちとおしゃべりをすることです」
 と最年長のアイラに心を読まれてしまった。

 帰る前にトラヴィスの部屋に寄ると、書類が山積みにされていた。あれほど、書類は溜めないようにと釘を刺したにも関わらず。
 いや、彼も休暇をとっていたから、それのせいなのかもしれない。
 久々の魔導士団はちょっと疲れた。
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