闇夜ヨルの恐怖記録 4
1人身だと身軽なのだと、勝手に思い込まれているのだ。


こちらがどんな予定を入れていようが変更できるものだと、勝手に思っている。


結局男は仕事を断ることができずにしばらく会社に残って仕事をすることになってしまった。


上司から受け取った仕事はかなり時間のかかる面倒なもので、1人、また1人と席を立って帰っていく。


気がつけば仕事をまかせてきた上司の姿もなく、男は会社で1人になっていたのだ。


『くそっ!』


トイレに立ち毒づく男。


すでに合コンは始まっている時間なのに男にはなんの連絡も入ってきていない。


つまりそれは、男抜きでうまくいっているということだった。


もう仕事なんてしている気分じゃなくなってデスクに戻ってからもずっとスマホをいじっていた。
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