闇夜ヨルの恐怖記録 4
予定していた通り、昼間の内にはしごと靴を部屋の中に準備していた。


はしごは防災用のロープになっているものなので、軽くて窓から下へ垂らすときにも音は気にならなかった。


ライトとスマホとポラロイドカメラが入った小ぶりなリュックを背負って、そっと窓から抜け出した。


地面に下りた時に枯れ葉を踏んで少しヒヤリとしたけれど、どうにか両親にはバレることなく家を出ることができた。


約束場所は中学校の近くのコンビニで、行ってみるとすでにユリは到着していた。


帽子を深くかぶって雑誌コーナーで立ち読みしていたユリに声をかけ、2人でコンビニを出る。


「あの店員さん、ずっとこっちを見てた」


早足にコンビニから遠ざかりながら、ユリが顔をしかめて言う。


未成年がこんな夜中に出歩いるのを見かけたら通報するように教えられているんだろう。


「きっと大丈夫だよ、それより早く洋館へ行こう」


捕まってきもだめしができなくなるなんてつまらない。


ユキコはユリの手を握りしめて走るようにして洋館へ急いだのだった。
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