闇夜ヨルの恐怖記録 4
嫌なことがなければここまで集中して宿題をすることができるんだ。


それなら今までだってもっとちゃんと勉強ができていたかもしれない。


そう考えると再びキミとサエへ向けての怒りが湧き上がってくるのを感じた。


あの2人はただイジメをしていただけじゃない。


こっちの人生にまで足を踏み込んで、引っ掻き回しているのだ。


イジメが相手の人生にどんな影響を及ぼすのか、全然わかってない!


「それなら、私だって2人の人生に踏み込んでいいよね?」


誰もいない部屋の中、ポツリとつぶやいた。


やられた分だけやり返したって誰も文句は言えないはずだ。


ユウナはゆらりと立ち上がると、クローゼットの奥に隠しておいたリュックを取り出した。


またもう1度あの真実の電話へ向かうかもしれないと思って、中のものもそのままにして保管していたのだ。


まさかこんなにすぐに行くことになるのは思っていなかったけれど、善は急げと言う。


ユウナは白いリュックを背負ってニヤリと笑ったのだった。
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