闇夜ヨルの恐怖記録 4
☆☆☆

「お前は少し我慢が足りないんじゃないか」


それはその日の夕飯での出来事だった。


お腹はペコペコだし大好物のカレーを目の前にして喜んでいたときの、父親からの一言だった。


父親は1人だけビールを飲んで枝豆を口に放り込んでいる。


「我慢?」


ユウナはスプーンを持った手を止めて聞いた。


「今日学校に電話して、テスト結果を聞いたのよ」


そう言ったのは母親だった。


ユウナは驚いて思わずスプーンを落としてしまうところだった。


「テスト結果ってなんの?」


「とぼけないで。数学のテストよ」


そう言われてようやく思い出した。


一週間くらい前に数学のテストが戻ってきて、点数は散々な8点だったのだ。


しかもその答案用紙は学校のトイレに捨ててきてしまった。


母親はいつまでもテストを見せないことにしびれを切らして、学校にまで電話してしまったみたいだ。
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