闇夜ヨルの恐怖記録 4
☆☆☆

丘の上に建つ洋館は昼間見るよりももっと威圧感があった。


さっきまで月明かりが周囲を照らしてくれていたのに、今では雲にかげってライトがないと周りが見えなくなってしまっていた。


「すごいね」


ユリは洋館を見上げて呟く。


「本当だね。学校の教室から見るのとは全然違う」


2人ともこの洋館を間近で見ること事態が初めてだった。


想像以上に大きくて、きもだめしに時間がかかったという話しは本当なのだと思った。


ユキコはライトで洋館の前にある門を照らした。


元々は黒く塗装されていた門はあちこちが剥げて赤錆が浮いている。


少し手で押してみると、ギィィィィと錆びついた音を立てながらも開いた。


「本当に入るの?」


ユリが後から声をかけてくる。


「ここまで来たんだもん。少しくらい入ろうよ」


思っていた以上の存在感に2人共腰が引けていたけれど、クラスメートたちには洋館へ行ってみるのだと話ていたのでここで引き下がるわけにはいかなかった。
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