闇夜ヨルの恐怖記録 4
そうだ。


気に入らないやつのことは全部あの電話で聞けばいいんだ。


そして弱みを握って、黙らせる。


自分にはあの電話がついているのだから、最大限に生かしたっていいはずだ。


もってきたすべての写真を貼り終える頃にはそんな風に考えるようになっていた。


そして数十分後。


登校してきた生徒たちによって写真が発見され、ユウナが思っていた以上に大きな事件になってしまっていた。


生徒たちは面白半分で写真を撮影し、それをネットに流したりグループメッセージで流したりしはじめたのだ。


教室内でその様子を傍観していたユウナは、キミが大慌てで教室内に入ってくるのを見た。


そしてサエがいないことに気がつくとまた廊下へと出ていってしまった。


友人のためにそこまで大慌てすることができるなら、他人にももっと優しくすればいいのにと鼻で笑う。


どっちにしたってキミもサエももう終わりだ。


今まで通りの評判のいい2人ではいられなくなってしまった。


サエは1度教室へ入ってきたけれど、そのときはキョトンとした表情でクラスメートたちを見回していた。


誰もサエに挨拶をしようとしなかったのだ。


それどころかサエを見てニヤついた笑みを浮かべている。
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