闇夜ヨルの恐怖記録 4
土足のまま人の家に上がることには少し抵抗があったけれど、2人ともそのまま屋敷内へと足を踏み入れた。


割られた窓の部屋はリビングだったようで、大きなソファと大理石のどっしりとしたテーブルが残されていた。


ソファはあちこち破れて、テーブルにも大きなヒビが入っている。


ユキコはさっそくカメラを向けた。


リビング全体が見渡せるように写真を撮る。


「そのカメラすごいね」


自動で撮影された写真が出てくるのを見てユリが言う。


似たようなカメラはあるけれど、ここまで本格的なものを見たのは初めてみたいだ。


「撮った写真は後で確認しよう」


洋館は広いからもたもたしてはいられない。


ユキコは写真を手に持ったまま次の部屋へと向かったのだった。
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