闇夜ヨルの恐怖記録 4
☆☆☆

写真を何度確認してみても、たしかに白い服の少女が映っていた。


少女はユキコたちと同い年くらいでジッとカメラへ視線を向けている。


「でも、どうして女の子なんだろう?」


昼休憩時間、もう1度写真を確認していたユキコが言った。


「そうだよね。あの洋館での噂の中に少女なんて出てこないもんね」


出てくるのは5人家族だ。


その中に少女がいたのかもしれないが、あの洋館内で自殺をしたのは母親1人だけ。


「もしかして、お母さんを探しに娘さんが来たとか?」


ユリの言葉にユキコは首を傾げた。


そういうこともあるかもしれない。


だけど写真を見れば見るほど、それは日本人の女の子に見えるのだ。


「それか、母親が若い頃の姿で出てきているか……」


いつか読んだ本の中で幽霊は季節や年齢がバラバラになると書いてあった。


老衰した男性が若い頃の姿になって現れたということもあるらしい。


「この写真だけじゃわからないね」


「うん」


答えながらも、ユキコはなぜだか写真の中の少女に惹きつけられていたのだった。
< 21 / 151 >

この作品をシェア

pagetop