闇夜ヨルの恐怖記録 4
☆☆☆

「今の見た!?」


体育の授業には戻らず、2人はそのまま校舎内へ逃げ込んで女子トイレに来ていた。


「見た」


ユリは頷く。


鏡には2人分の青い顔が映っている。


「あの写真の子だったよね?」


その質問にはユリは無言で頷いた。


さっきの少女の顔をマジマジと見たわけではない。


だけどあの写真に映っていた少女と同じ子だと、なぜか2人にはわかっていたのだ。


「なんで? あの子は誰!?」


「そんなのわかんないよ!」


ユリは叫ぶように答える。


ただわかっているのは、少女が2人について来てしまったということだけだった。


「やっぱりあんな洋館に行くんじゃなかった。きもだめしなんかしたから悪かったんだ」


ユリの声は涙ぐみ、両目からボロボロと涙をこぼし始めた


ユキコは呆然と立ち尽くしてそれを見つめることしかできない。


あの少女は誰なのか突き止めないと、この現象は終わらない。


そんな気がしていた。


それが的中したのはほんの10分後のことだった。
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