闇夜ヨルの恐怖記録 4
「どうして……」


足が震えて立っていられなくなった。


写真を握りしめたまま座り込み、ガタガタと体を震わせる。


どうしよう。


どうすればいい?


もう中学生だけではどうしようもないのかもしれない。


両親に相談しないと。


そう思って再び写真に視線を落とした時、不意につ映っている少女に見覚えを感じてユキコは眉を寄せた。


少女の顔は長い髪の毛と影で隠れているけれど、たしかに見たことがある。


思えば洋館で撮影したのになぜ日本人の少女が映っているのか、ずっと疑問だったのだ。


更にそれが自分にとって覚えのある人だとすると、もう偶然とは思えなかった。


ユキコは大きく息を飲んでカメラを片手に家を飛び出したのだった。
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