闇夜ヨルの恐怖記録 4
恐る恐るノブをひねってみると、扉は外側へと開いた。


「誰かいますか?」


部屋に足を踏み入れる前に一声かけるが、どこからも返事はない。


やっぱり風のせいでドアが勝手に閉まったのかな?


そう思ってホッと息を吐き出したときだった。


ギィィと木がきしむ音が聞こえてきてユキコはビクリと体を跳ねさせた。


部屋の中をよく確認してみると中央に大きな揺り椅子が置かれていて、それがかすかに揺れている。


「ごめんなさい、人がいたんですね」


そう声をかけて慌てて扉を閉めようとして、揺り椅子の上から黒い髪の毛が見えていることに気がついた。


こんな椅子に座るのは年配の人だと勝手に思っていたユキコは閉じかけた扉を再び開けていた。


あれに座っているのは誰だろう?


若い人に見えるけれど、どうして返事をしないんだろう?


疑問が浮かんでくるともう部屋から出ていくことはできなかった。
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