闇夜ヨルの恐怖記録 4
ユキコはそっと揺り椅子へと近づいた。


そして思いきって前で回り込んだ時、悲鳴をあげそうになって両手で自分の口を塞いでいた。


そこに座っていたのはマヤちゃんだったのだ。


ううん、正確に言うとマヤちゃんにそっくりな人形だ。


等身大と思われる大きな人形が揺り椅子に座り、じーっと前を見つめている。


どうしてこんな人形が!?


そう思うと同時に全身が寒くなった。


やっぱりマヤちゃんはもう死んでいるんだ。


それでもあの母親は納得していなくて、こんな風に人形を作ったんだ!


親が子供を亡くしてここまで狂気を見せるのはどういうときだろう?


例えば、子供がイジメにあって自殺したときとか?


考えて強く左右に首を振った。


そんなことない。


これは自分の考えすぎだ。


だいたいマヤちゃんへのイジメは大したことじゃなかった。


自殺なんてするほどのことじゃなかった。


本当に?


イジメられていた側がどこまで傷ついていたかなんて、わからないんじゃない?
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