闇夜ヨルの恐怖記録 4
でも、それから数ヶ月が過ぎた頃マヤちゃんは学校へ行く時間になっても部屋から出てこなくなった。


なにかがあったのだろうと察した母親は無理に理由を聞くこともなく、その日は学校を休ませた。


けれどそれが2日、3日と続いていく内に『保健室や図書室ならどう?』と、声をかけるようになってきた。


教室へ行かなくてもいいのなら学校に行くことができる。


マヤちゃんは週に2、3回、教室以外の場所に登校するようになっていた。


それでも一応は学校に通っているマヤちゃんに母親は安心していた。


この先中学生になったら、また昔通っていた学校へ戻ればいいのだ。


マヤちゃんの成績なら問題はなかったし、なにより家柄もちゃんとある。


マヤちゃんにはこの一定期間、お嬢様学校と一般的な学校を経験させることができてよかったのだ。


そう、プラスに捉えることにした。


そして、そのまま卒業式の日が来た。


『今日はちゃんと教室に行くから』


最後の大舞台を両親にも見てほしい。


だからマヤちゃんはその日笑顔で家を出たそうだ。


両親ともマヤちゃんの卒業式での姿をとても楽しみにしてた。
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