闇夜ヨルの恐怖記録 4
☆☆☆

すべて話を聞き終えてユキコもユリも黙り込んでしまった。


途中でマヤちゃんとの関係を投げ出してしまったことを、今はひどく後悔している。


マヤちゃんがお金持ちの家に産まれてきたことは、マヤちゃんのせいじゃなかったのに……。


「これを見て」


そう言われて視線を向けると、母親が本棚へと近づいて行きアルバムを一枚取り出した。


マヤちゃんが写っている写真だろうか?


そう思って2人で近づいて見ると、そこには風景写真が沢山貼られていた。


「これはマヤが撮った写真なのよ。あの子、写真を取るのが好きだったの」


それは初耳だった。


マヤちゃんとは本の話しばかりをしてきたから、他の趣味については聞いたことがなかった。


「でも、今ではそれもできなくなってしまったけれどね」


母親は写真を愛しそうに撫でながら呟く。


その仕草にユキコたちの胸は今にも張り裂けてしまいそうだった。
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