闇夜ヨルの恐怖記録 4
ボールを打つことに飽きてきたのかキミが呆れた声でそう言った。


「本当だよね。勉強もできない運動もできない。じゃあなにができるの?」


サエがニヤついた笑みを浮かべて聞いてくる。


ユウナは悔しい気持ちを持っていたが、それでもなにも言えずにうつむいてしまう。


早く体育の授業が終わればいいのに。


先生が来てくれればいいのにと願うばかりだ。


地獄のような体育の授業が終わって着替えをしていると、あちこちが青あざになっていることに気がついた。


腕は少し上げただけで痛くて顔をしかめてしまう。


自分をこんな風にした2人はさっさと着替えを終えて教室に戻ってしまったみたいだ。


ユウナはムッと唇を引き結んで1人で保健室へ向かった。


保健室の女性の先生は優しくて、まるで本当のお姉さんのようでユウナは大好きだった。
< 85 / 151 >

この作品をシェア

pagetop