恋行き電車パスポート
「……っ」

どきん、という音が身体中に響いた。

「これを……」

ビンに赤い星の砂を入れていく。

白と赤で半分に分かれた中身は、綺麗だった。


「これ、清水くんにあげるね」

皆見あいねはそう言って俺にビンを差し出してきた。

「“この出逢いを大切に”って意味を込めて」


優しい笑顔を向けられ、また心臓が大きく脈打つ。


「あっ、ありがとう……」

そっと受け取った瞬間、柔らかい潮風が吹いた。
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