恋行き電車パスポート
落とし物
太陽の輝く、綺麗な朝だった。
今日は珍しく朝練がない日で、ギリギリまで寝ていた。
母さんが言うには、ももなは二本早い電車で行ったらしいが、30分に4本あるので全然間に合う。
二人だとうるさい通学路も、一人だと静かで若干物足りないなんて思ったことは口が裂けても言えない。
改札にICカードを押し当てホームに入る。
ここの駅の階段は長いが、歩道橋のように上にのぼった瞬間、朝日に照らされる町並みが綺麗だったりして、思わず見てしまう。
今日もそっちへよそ見しながら歩いてると、足になにかがあたった。