愛が欲しかった。
 高吉の彼女だったのか、思いつつも疑問が浮かんだ。なんで高吉の彼女が森本の子分みたいな位置にいるんだろうかと、高吉の権力を使えば、森本なんて、どうにでもなるはずだ。なのになんでなんだろうかと思いは巡った。
「悪かった。ぼくは人の女には手を出さない」と言い切った。
 これは男としての義理である。大多数の男がこう思っているはずだ。人の女に手をだすのは恥ずべき行為なのだ。これを守れない男は友情はつかめないのだから。だけどこの考え方はぼく自信が少し潔癖症なところがあるからかもしれない。

 言い切ったぼくに高吉は興味を持ったのか、それ以降、付きまとうようになってしまったのだった。

 どんどん増えていく悪友達をぼくは一歩引いて見てみると、巨漢の浜下。パパ活森本。総長高吉。
 わーい。本当に動物園のレア者たちばかりだ。などと、自虐的に感嘆の声を上げるも、叔母と関係を持っている自分がこの中で一番、不潔な存在だと認識していた。
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