愛が欲しかった。
名前を訊いて、今日、明日に名前で呼べるメンタルを持っていないけれど、知っているのと知らないのとでは、雲泥の差があるんだろう。いざ告白したとして、それが上手くいった時、いざ名前で呼びあう間柄になっても知らないと呼ぶこともできないし、今更名前を訊くというこういは、少なからず相手に減滅を与えてしまうだろう。関心がない。けど付き合う。みたいな感じで。
実際に意外と関心がないのに恋人が欲しいという気持ちだけで、付き合うカップルもいるだろし、ぼくももう少しでそんな不誠実な行動を起こしていたかもしれない。ただ誠実さがぼくにあるかと問われれば、ノーを突き付けられてもおかしくない。
この気持ちを大切に育てるかどうかはこれからの関係なんだろうけれど、存在が多少なりと大きくなっているのはたしかだった。
浜下の言う通りに藤本を目で追うと、度々視線が重なることが増えてきている。お互い意識しているのならいいのでけれど、ぼくの視線にきずいてただの反応だとしたら、それは顔を覆いたくなる出来事で、藤本は大いに首をかしげている事だろう。
極力見ないように気をつけよう。
意識しすぎるのもよくない。