愛が欲しかった。
 ぼくは香りさんをどかせようとして両肩を力一杯押しのけるも、服で両手が滑ってしまい先程よりももっと体が密着した。
 香りさんは虚ろな目をしている。その目が段々と近づいてきて、気づいた時には唇が重なっていた。
 お酒の香りがした。ぼくの心臓が高鳴る。その音を聞かれるのが恥ずかしい。まるで異性として意識してますと言ってるようなきがして。
 香りさんはぼくの上で上体を起こすとおもむろに服を脱ぎ始め、豊満な乳房をぼくに見せつけた。ぼくはゴクリと生唾を飲むと香りさんはその姿を見て、いたずらな笑みを浮かべた。
「まこちゃんは経験はあるの?」
 香りさんはぼくの答えを聞く前にぼくの上半身の服を乱暴に剝ぎ取る。
「……香りさん、まって、ぼくたちは親戚なんだよ」
 ぼくは少なからず血のつながりがあることを香りさんに言うも香りさんは止まる気配はなく、舌でぼくの上半身に舌を這わせる。
 冷たいという感触が段々と人肌に変わった。初めての快感だった。その舌はそのまま下半身へ向かっていく。まるで蛇が身体を這うようだった。
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