愛が欲しかった。
通学路を歩きながら、ぼくは香りさんへの対応を後悔しながら歩く。自分から離れていこうと決めた。ただそれが本当に良かったのかと疑問が残る。一時の感情で決めるには、難しい問題だった。けれど叔母と肉体関係を続けるほうが不健全であることには間違いなく、将来的にはお互いにとって良かったのではないだろうか。この事は二人だけの秘密で墓場まで持っていく案件であるには違いない。
ぼくの通う学校は山の上にあり、ちょっとしたハイキングかと思うことがある。体力のない生徒もここを三年間通えば強靭な肉体を手にいられるだろう。皮肉ではあるけれど。でもまあ、学校って大体のところ、辺ぴな所にあるような気がする。
目の前を辛そうに歩く生徒の姿があった。小太りな女生徒。森本の姿が。嫌だなと思いながら息を潜めて歩くも森本の進行速度があまりにも遅い。抜かすと面倒なことがおきそうでぼくもゆっくりとあるいた。しかし体力がなさすぎるだろう。
いくら息を潜めていたとしても、森本が振り返れば意味のないことで、校舎が見える前にぼくは発見されてしまうのだった。