愛が欲しかった。
「へー良かったな」
思ってもないことを口にする。下手に説教じみたことをいいそうになるから、ぼくは適当に肯定してやるのだ。こんな話を登校中に話すこと自体が神経を疑うが、それに乗っかるぼくもぼくだ。他生徒には見られたくない現場だ。
森本は続けておっさんの行為について語りだすので、想像するだけで気持ち悪くなった。相性がいいとか、前のパパより羽振りがいいとか。
「それでさ、酒井がね、九条のこと好きなんだって」
へーと聞き流していたら突然のぶっこみにぼくは驚く。
「そうなんだ」
「そうなんだじゃなくて、酒井と付き合う気はあるの?」
色恋の話しをする森本はどこか楽しそうだ。
「うーんぼく、その酒井って知らないんだよね。だから付き合う以前の問題だよ。やんわりと断っといてよ」
「酒井はほら前に遊んだじゃん、あの時の子よ」
そう言われて酒井という女の子の名前と顔をが一致した。結構可愛い見た目だったな。
「あの子ね、たしか同じ高校だよね、見たことないんだけど」
「最近は学校きてないんじゃない」
「そうなんだ。色々忙しいんだ。まああまり知らないし断るよ」
「ええ、勿体無いよ。付き合ってみてから、合わないときに別れたらいいんじゃん」
こういう軽いのりがもう合わないとぼくは思った。付き合うことにメリットしかないような言い方をする。同じ学校で付き合うってことのデメリットを理解していない。
気になる子がいるぼくにはデメリットしかない。
思ってもないことを口にする。下手に説教じみたことをいいそうになるから、ぼくは適当に肯定してやるのだ。こんな話を登校中に話すこと自体が神経を疑うが、それに乗っかるぼくもぼくだ。他生徒には見られたくない現場だ。
森本は続けておっさんの行為について語りだすので、想像するだけで気持ち悪くなった。相性がいいとか、前のパパより羽振りがいいとか。
「それでさ、酒井がね、九条のこと好きなんだって」
へーと聞き流していたら突然のぶっこみにぼくは驚く。
「そうなんだ」
「そうなんだじゃなくて、酒井と付き合う気はあるの?」
色恋の話しをする森本はどこか楽しそうだ。
「うーんぼく、その酒井って知らないんだよね。だから付き合う以前の問題だよ。やんわりと断っといてよ」
「酒井はほら前に遊んだじゃん、あの時の子よ」
そう言われて酒井という女の子の名前と顔をが一致した。結構可愛い見た目だったな。
「あの子ね、たしか同じ高校だよね、見たことないんだけど」
「最近は学校きてないんじゃない」
「そうなんだ。色々忙しいんだ。まああまり知らないし断るよ」
「ええ、勿体無いよ。付き合ってみてから、合わないときに別れたらいいんじゃん」
こういう軽いのりがもう合わないとぼくは思った。付き合うことにメリットしかないような言い方をする。同じ学校で付き合うってことのデメリットを理解していない。
気になる子がいるぼくにはデメリットしかない。