私の周りにヤンデレしかいないんだが

強引な人の本音

十くんだけでなく、龍羽くんまでヤンデレだったんなんて……。そんなショックを受けながら授業を過ごし、放課後を迎えた。

「美紅ちゃん、帰ろう！」

雫ちゃんがかばんを手に近付いてくる。でも、頷いて立ち上がろうとした時、あることを思い出したんだ。

「ごめん！今日、本の返却日だった。先に帰ってて」

「そっか、残念。じゃあまたね」

雫ちゃんと手を振って別れ、私は図書室へと向かう。図書室で見かけたスイーツの本が可愛くて、借りちゃったんだよね。

お金持ち学校の図書室は、街にある図書館かと思うほど広くて、色んな本が置かれている。読書が大好きな人にとっては夢のような場所だと思う。

「返却お願いします」

司書さんに本を手渡して、図書室を出る。すると横から「美紅ちゃん」と声をかけられた。隣を見ると、二年生の美鈴悠利（みすずゆうり）先輩がいた。綺麗な金髪をセットし、おしゃれな腕時計をつけて、まるでモデルさんみたいだ。

「今から時間ある？よかったらモデルになってほしいんだけど」
（似合いそうな服、またできたんだよね〜。絶対着せたい！）