私の周りにヤンデレしかいないんだが
「いやいや、こんな怪しいものもらっちゃダメでしょ!!」

小さなガラスでできた小瓶には、ピンク色の液体が入っている。一体何なんだろう。まさか、違法薬物とかじゃないよね?

「おばあさんは、不思議なことが起こるって言ってたけど……。とりあえず飲んでみてよ」

「その不思議なことって薬物摂取による禁断症状じゃないの?こんな怪しいの飲めないよ」

蓋を開けて匂いを嗅いでみる。蓋を開けるとすぐに、フローラルな香りが漂ってきた。たくさんの種類の花の匂いがして、目を閉じてみるとまるで花畑にいるみたいだ。

「とりあえず飲んでみて!男子とよく一緒にいる人とじゃないと効果がないって言ってたの」

香りを楽しんでいたら、手の中から小瓶を奪われ、「雫ちゃん」と言おうと口を開ければ隙ありと言わんばかりに口の中に小瓶を押し込められる。口の中に甘ったるい液体が入ってきて、慌てて吐き出そうとするけど後頭部を押さえ付けられて逃げられなかった。雫ちゃん、あんたどこにそんな力が……。
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