先生×アタシ×先生
「ガーーーー。」

開いてほしくない自動ドア──────

開いた瞬間臭ってきた消毒の臭い──────

消毒の臭いを嗅ぐと口の中の水分が無くなって吐いてしまいそう…


「ンンゥゥ…泣」

体の辛さと病院が嫌すぎて、涙目になる。

「ほら、歌乃熱測るよ〜」

「うん。」

もうどうなってもいい、もうアタシは死んだ。

待ってる時のドキドキ──────

呼ばれた時の心臓がどうにかなりそうな程のドキドキ──────

「ピピピピピピっ!」

「38.6ね!」

母はお構いなしに黙々と問診票を書き進めていった。
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