先生×アタシ×先生
もうアタシの人生終わった──────

嫌だ──────

先生怖い──────

このまま一生呼ばないで欲しい。





「葉月歌乃さん〜!こちらへどうぞ!」

心臓が破裂しそうな程のドキドキ、そして同時に頭の血管も切れそう。

母も一緒に立った。

「あっ、お母様はこちらでお待ちください!」

「えっ。」

「歌乃頑張って!大丈夫!!」

看護師さんに連れられ廊下を歩き、ドアへ入る。

歌乃は緊張のあまり、歩きがロボットみたい。


「はい、どうぞ〜ここ座ってください。」

白髪のおじいちゃん先生。怖い。何されるだろう。

「葉月歌乃さんこんにちは〜今日は熱ですね〜」

母の書いた嘘偽りのない問診票をみて先生が診察を始めようとする。

「ちょっと胸の音聞きますよ〜!」

「いやだ。」

「歌乃ちゃん大丈夫だよ!胸の音聞くだけだから!」
看護師さんも歌乃をなだめる。


先生は低い声で言った。

「もう高校生でしょ??わがまま言える歳じゃないよ??ほら早く!!」

おじいちゃん先生が言う。

歌乃は短気でイラっとするとすぐ行動に出てしまう。

「うるさい!ヤブ医者!!」

そう言い残し、歌乃は重い体を動かし、勢いよく出ていってしまった。

「歌乃ちゃんー!!!」

看護師さんが追いかけてきてる?

そんなの知らない。

ひどい。あのクソジジイ。アイツにだけは診察されたくない。

体が辛い、早く横になりたい。

廊下を歩いたら、母のいる待合室。

あと少し。

行きより、廊下が長く感じた。

「ハーハーッ。」

熱出でぼんやりしているせいかな?目が霞んでる…?



「バタン!!!!!」


歌乃は勢いよく倒れてしまった。

なんかみんなが何か騒いでるような気がする。でもなんかぼんやりしていてよくわからない。

嫌な夢でもみてるのかな…






「歌乃!!歌乃!!!!」

母の呼ぶ声で歌乃は目が覚めた。

腕にツーンとした痛み。

最悪だ。これは点滴だ。

本当は取って逃げたいけど体が鉛のように重く、動けない。

「お母さん…」

「歌乃!どうしたの??急に診察室飛び出して廊下ですっごい勢いで倒れたんだよ!どこが痛い?」

「あのクソジジイがさ。ゲホゲホッ。」

「取り敢えず歌乃が寝てる間に先生診察してくれて、今日は帰って大丈夫だってさ、薬飲んで早く寝よう!先生なんか怒ってたけど変なこと言ったの??笑笑」

「なんでアタシの体あのクソジジイに触らせるの?ほんと最悪。」

点滴が効いてきたのか少し体が楽になった。

「帰ろう。」
< 29 / 42 >

この作品をシェア

pagetop