先生×アタシ×先生
九重太樹side

夜になるし、歌乃ちゃんの様子見に行くか。

昨日は大分辛そうだったから心配だな。

病院怖いのに怖くないフリして強がっちゃうところ可愛くて仕方がない。


「ガラガラ…」

歌乃ちゃん心配そうな顔して、胸押さえて呼吸を整えてる。

「せんせー、」

「歌乃ちゃん心配そうな顔してどうしたの?」

「何でもないよ。」

夜になるのがきっと怖いんだ。

発作を起こしたら次の日、また発作が起きるんじゃないかって不安になる子よくいるから、もしそうなら安心させないと!!

「先生に話してごらん。先生を信じて!歌乃ちゃんの主治医だよ。」

歌乃の可愛すぎる視線につい頭を撫でてしまう。

「せんせぃ…涙。」

九重が撫でると、歌乃は泣き出してしまった。

強がってたけど不安でいっぱいだったんだ、歌乃ちゃん、、、。

もっと早く気づいてあげられなくてごめんね。

何も考えずに歌乃をギュッと抱きしめる。

「昨日の夜ね、苦しくなってこのまま死んじゃうんじゃないかって怖かったの、怖いことたくさんされて、怖かった。。涙」

「今日も夜寝たら、苦しくて目が覚めるんじゃないかって怖くて…涙 ゲホゲホッ…フゥゥン…」

強がりで心を開いてくれなかった歌乃ちゃんが今、俺の胸の中で泣いてる。

「大丈夫。大丈夫。泣かないよ。あんまり泣いたら苦しくなっちゃうから。」

「涙。」

歌乃ちゃん可愛い。

嫌われたくないから医療行為したくなくなってしまう。

でも早く良くなって退院してもらいたい!

いけない!!平常心に戻れ、自分…


「お熱測ろうか!」



「38.2℃かぁ、昼間はちょっと下がったんだけどやっぱり夜になると上がるかぁ…」

歌乃ちゃんごめんね、、嫌われたくないけど…

「熱を下げるために昨日頑張った座薬頑張れるかな?大丈夫。先生上手だから。」

「うん、」

歌乃は横を向く。

「歌乃ちゃん昨日みたいにふーーって息吐いてね。ふーーーー」

昨日より抵抗がなく薬が入っていったのがわかった。

「歌乃ちゃん、偉かったよ!」

頭を撫でた。

歌乃ちゃん、そんなに心配な顔で見つめないで……

「おやすみ〜!朝までゆっくり眠れるおまじない。」

チュッ。

「えっ。」

つい可愛くておでこにキスしてしまった。

俺としたことが…

心配だから朝まで付き添いたいが明日も早いので今日は仕方なく帰るかぁ。
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