先生×アタシ×先生

起立！！！

「…ガサ。」
歌乃は朝の号令で目を覚まし取り敢えず立つ。
あー、めまいがする。立ちくらみか。
立ちくらみはいつものことなので、耐えるのは慣れている。

れい！！
おはよーございます。
着席。

そして歌乃はまた少し寝ようと思い机に伏せる。


まだ担任は発表されていないので取り敢えずの先生がホームルームをしにくる。

「これから体育館へ行って始業式をします。急なんですが校歌の伴奏弾ける子いる？？？」

クラスは一瞬ざわざわしたが、手を挙げるものはいない。

「ピアノ専攻の子！！誰も弾けないの？？」

「私たち楽譜持ってませんし、そんな急に言われても無理です！！！」

「楽譜は用意出来るけど、、仕方ないね、じゃあ3年生に言ってみるね。」

なんでピアノ専攻してんのにあんな簡単なの弾けないの？何をバカ真面目に毎日やってるんだろコイツら。と腹が立って歌乃が声を上げる。

「お前ら何ビビってんの？アタシが弾いてやってもいいよ！！」

「葉月さん本当！？ありがとう！じゃあ楽譜持ってくるね！」

歌乃は後先考えずにその場の気持ちで発言や行動をしてしまう。

ｱﾁｬｰ、その場の勢いでやるって言っちゃた…
アタシの大嫌いな体育館での謎の儀式じゃん！！

後悔もあったが、毎日バカ真面目に学校生活送ってる奴らに出来ないことをアタシは出来るよ？って大声で言いたかった。