先生×アタシ×先生

ホームルームが終わり、先生が楽譜を持ってきた。思っていた通り練習なんか必要ない簡単な楽譜だった。

「歌乃ちゃんすごいね！本当かっこいいよ！」

「そう？ありがとう。」

春川に褒められて少し得意げにお礼を言った。

「体育館まで一緒に行こうよ！」

春川に誘われた。

正直面倒くさいと思ったが、どうせアタシは1人だからいいか。

「いいよ。」


急に下腹部が痛くなった。

「ｲﾀﾀﾀ…」

「どうしたの？お腹痛い？」

「ただの生理だから！」

「ホッカイロあるからあげる！」

春川がカバンからホッカイロを出し、差し出してきた。人に弱みを見せるが嫌いな歌乃は一瞬戸惑ったが、痛みに負けてもらった。

「ありがとう。」

「いいえ。」

「薬もあるよ？」

「大丈夫！薬は持ってる！さっき飲んだから！」

「私いつも温めたらだいぶ楽になるよ」

「さんきゅー」

たまには甘えるのも悪くないかも。

「歌乃ちゃんは大事な役があるんだから！頑張ってね！」

「大した仕事じゃないよ、伴奏するだけだよ」

春川と話しながら体育館へ向かっているうちにホッカイロも温まり痛みが弱くなった。