先生×アタシ×先生
九重sido

九重は自分のクラスの名簿を見ながら歩いていた。

さっき伴奏していた葉月さんって俺のクラスなんだ〜。派手で可愛い子だったな。

俺も学生時代ヤンチャだったし、そう言う子の味方になれるような教師になりたいなぁ〜


あ、葉月さんだ!

「葉月さんだよね?さっきの伴奏素晴らしかったよ〜。頭髪服装はどうした〜?髪、…」

まだ話しているのに歌乃は勢いよく怒鳴ってきた。

「1発目の会話がそれ?もうお前の第一印象ゴミだ!!!」

歌乃は怒って行ってしまった。


刺激するつもりなかったのに。

髪の毛可愛いじゃん!スタイルもいいからモデルさんかと思ったよ〜!〜って言うつもりだった。

ちょっと緊張していて頭髪服装の話をしてしまった。

先生向いてないなぁ〜。


九重は職員室に寄り荷物を持ち教室に向かった。


教室こっちからのが近いんだっけな?

薄暗いピアノ室の廊下を歩いていると1部屋だけ灯りがついていた。

誰かが弾いている。

とても素敵な演奏…

誰が弾いているのだろう。


九重は窓から中を見る。


葉月さんだ、とても気持ち良さそうに弾いている。気持ち良いメロディ〜。
 
聞いていると、いきなり演奏が止まり怒鳴り声が聞こえた。

「何みてんだよ!なんか用?」

さっきはきちんと事は謝ろう。

トントン。

「あけるよ〜。失礼します〜。」

ガチャ。

九重は誤解を解きたい一心で話しかける。

「なんで逃げるのさ〜。俺の話最後まで聞いてよ。」

「先生なんて馬鹿の一つ覚えみたいに同じことしか言わないから、聞かなくてもわかる!」

あの演奏をこの子がしていたとは信じ難いな笑!


にしても顔色悪いけど、大丈夫かな?

焦点が合ってないように感じたけど、気のせいかな?

「うるさい!アタシに関わるな!!」


歌乃は急いだ様子で出て行ってしまった。


「葉月さん〜!すぐ逃げるんだから〜!」

葉月さんに嫌われちゃった。


九重は歌乃を探して一緒に教室に戻ろう!と決めた。


「葉月さ〜ん!」

「葉月さ〜ん!!」

いないなぁ〜。逃げ足早いなぁ!!笑


と、廊下を曲がったところに歌乃がうずくまっていた。

「おい!葉月さんどうした??」


「うぅんん……なんでもない…あっちいって」

「葉月さんしっかりして!」

どうしよう。返事がない。

取り敢えず保健室に運ぼう。

「葉月さん、保健室行こう!移動するよ!」

九重はジャケットを脱ぎ、歌乃にかける。

声をかけて、優しく歌乃を持ち上げ、足早に保健室に向かう。

意識がはっきりしていない歌乃…ダランとしている。


葉月さんって喋らなきゃ可愛いかも笑笑


何考えてんだ!早く保健室に運ばないと。
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