平凡女だってイケメンが欲しい
〜ざわざわ〜ざわざわ〜
「おじさん! 生一丁と葱間1つ!!」
「あ、俺も同じの!」
あちこちから注文が飛び交う客のごった返した居酒屋で、以前から約束していた元同級生の親友と飲みながら(烏龍茶)
「やっらかしたーーー!!
もう本当にどうしよう!?
だって撮影の機材だよ!?賠償金とか絶対高いし。ホント考えたくない。どうすればいいと思う!?優香!!」
私は机に頭を突っ伏して親友こと林優香に今日の出来事を相談していた。
「どうしたらいいって、そりゃもう諦めて返済するしかないでしょうよ。馬車馬のように働け」
「あんたはそれでも私の親友か!?こんなにも親友が追い詰められているというのに反応が冷た過ぎる!少しぐらい慰めてくれてもいいでしょ!冷た過ぎてあんたの背後もう吹雪いちゃってるよ!!
まぁ全部私が悪いんだけどさ...」
「嗚呼ぁぁぁーーー!!!!
さらばよ私の青春。雨宮玲、馬車馬になります」
「ていうか、その話もう何回目よ。いい加減聞き飽きたわ。他になんかないの?こう...
『芸能人に会った!』とか少なくとも
『イケメンを見た!』とかさ
いくら雑用ばっかやらされてそれどころじゃなかったって言ってもスタジオで1人や2人ぐらい見たでしょうよイケメン」
グスッッグスッ...
「1人だけ...いた...国宝級イケメン...
ていうか新堂歩...」
「ッッ、、、ッエッ、、、⁉︎」
「キキマチガエカシラ、サイキンミミソウジシテナカッタカラ、、、(テヘ(´∀`=))
「そうなる気持ちは痛い程分かる。
しかし!
事実だ(ドスの効いた声)」
林:「ガチで?」
玲:(コク...)
林:「妄想とかじゃなくて?」
玲: (コク...)
林: 「そっくりさんとかでもなくて?」
玲: (コク...)
林:「ナマ新堂歩?」
玲: (コク...)
「凄いじゃん!!玲!
おめでとう!!何をそんなにクヨクヨしてるの。
今日は玲にとって人生の中で一生あるかないかの最高の幸運日じゃん!
おめでとう。これからの人生の幸福を全て今日使い切ってしまった感は否めないが良かったじゃない!
もうこの先、夫どころか彼氏もできず、ましてや子供など夢のまた夢になってしまうかもしれないけれど、それでも今日という日を思いだし噛み締めながら生きてゆけ。玲よ!!」
「いや、最後のキャラ誰よ...
確かに彼に『大丈夫?』って心配してもらって手も差し伸べてもらったよ?けどそれ以外は散々だったわけだし...別に人生で最高の幸運日っていうほどのものでもないでしょ。(子供だって欲しいし...)」
「いやいやいや」
「最高の幸運日だって!彼との事以外散々だったのは玲の人生の中における幸運を全て使い果たしたとしても足りなかった分を補ったに過ぎないんだよ!
多分、いやそうに違いない、と思う」
(何だそれ)
でももし本当に彼と会った事で全ての幸運を使い果たしてしまったとしたら...
「もう新しい出会い無くなっちゃうじゃん!!」
何てこった。
...いや待てよ。新しい出会いがもうこの先無いのであれば、今ある出会いをモノにすれば良いのでは?
〜回想シーン〜
「大丈夫ですか?怪我しませんでした?」
そう言いながら優しく手を差し伸べてくれた彼
背後にあった照明が彼の背中に上手い具合に当たっていた為、さながらドラマのワンシーンの様だった。
あー。今思い出しただけでもカッコいい(´∀`)
遠くに意識を飛ばしながらニヤニヤしていると、
「パァン!」
目の前で小気味いい音が聞こえ我に返った。
「何処に意識飛ばしてんのよ玲。どうせそのニヤニヤした顔からして今日のこと思い出してたんでしょうけど。いい加減現実見ないと。今日みたいなことは多分もう2度と起きないんだし後ろばっか見てないで前向いて生きるよ!」
しかし、
「優香!私、新堂さんと付き合う!!」
「ハァア?
何言ってんの玲。ついに頭が...」
「ちょっと!そうじゃなくて、もし優香の言う通り幸運を使い切っちゃったならもう新しい人は現れないわけでしょ。それなら新堂さんと付き合えばいいんだよ!(私は天才か)」
「いや、ちょ、あれは例えで、そのくらい幸運だったんだよって言う...」
「私はもう決めた!絶対に付き合ってみせる。それに何とも思ってない相手の所にわざわざ来て心配なんて普通する?私なら絶対しない。つまりあっちも少しはこっちに気があるということ!別に私顔は悪く無い方だし、何だったら寧ろ良い!また希さんにお願いして連れてって貰えば、、、
『うるせーよ、あんた』
突然背後から怒りを含んだ低い声がした。
「おじさん! 生一丁と葱間1つ!!」
「あ、俺も同じの!」
あちこちから注文が飛び交う客のごった返した居酒屋で、以前から約束していた元同級生の親友と飲みながら(烏龍茶)
「やっらかしたーーー!!
もう本当にどうしよう!?
だって撮影の機材だよ!?賠償金とか絶対高いし。ホント考えたくない。どうすればいいと思う!?優香!!」
私は机に頭を突っ伏して親友こと林優香に今日の出来事を相談していた。
「どうしたらいいって、そりゃもう諦めて返済するしかないでしょうよ。馬車馬のように働け」
「あんたはそれでも私の親友か!?こんなにも親友が追い詰められているというのに反応が冷た過ぎる!少しぐらい慰めてくれてもいいでしょ!冷た過ぎてあんたの背後もう吹雪いちゃってるよ!!
まぁ全部私が悪いんだけどさ...」
「嗚呼ぁぁぁーーー!!!!
さらばよ私の青春。雨宮玲、馬車馬になります」
「ていうか、その話もう何回目よ。いい加減聞き飽きたわ。他になんかないの?こう...
『芸能人に会った!』とか少なくとも
『イケメンを見た!』とかさ
いくら雑用ばっかやらされてそれどころじゃなかったって言ってもスタジオで1人や2人ぐらい見たでしょうよイケメン」
グスッッグスッ...
「1人だけ...いた...国宝級イケメン...
ていうか新堂歩...」
「ッッ、、、ッエッ、、、⁉︎」
「キキマチガエカシラ、サイキンミミソウジシテナカッタカラ、、、(テヘ(´∀`=))
「そうなる気持ちは痛い程分かる。
しかし!
事実だ(ドスの効いた声)」
林:「ガチで?」
玲:(コク...)
林:「妄想とかじゃなくて?」
玲: (コク...)
林: 「そっくりさんとかでもなくて?」
玲: (コク...)
林:「ナマ新堂歩?」
玲: (コク...)
「凄いじゃん!!玲!
おめでとう!!何をそんなにクヨクヨしてるの。
今日は玲にとって人生の中で一生あるかないかの最高の幸運日じゃん!
おめでとう。これからの人生の幸福を全て今日使い切ってしまった感は否めないが良かったじゃない!
もうこの先、夫どころか彼氏もできず、ましてや子供など夢のまた夢になってしまうかもしれないけれど、それでも今日という日を思いだし噛み締めながら生きてゆけ。玲よ!!」
「いや、最後のキャラ誰よ...
確かに彼に『大丈夫?』って心配してもらって手も差し伸べてもらったよ?けどそれ以外は散々だったわけだし...別に人生で最高の幸運日っていうほどのものでもないでしょ。(子供だって欲しいし...)」
「いやいやいや」
「最高の幸運日だって!彼との事以外散々だったのは玲の人生の中における幸運を全て使い果たしたとしても足りなかった分を補ったに過ぎないんだよ!
多分、いやそうに違いない、と思う」
(何だそれ)
でももし本当に彼と会った事で全ての幸運を使い果たしてしまったとしたら...
「もう新しい出会い無くなっちゃうじゃん!!」
何てこった。
...いや待てよ。新しい出会いがもうこの先無いのであれば、今ある出会いをモノにすれば良いのでは?
〜回想シーン〜
「大丈夫ですか?怪我しませんでした?」
そう言いながら優しく手を差し伸べてくれた彼
背後にあった照明が彼の背中に上手い具合に当たっていた為、さながらドラマのワンシーンの様だった。
あー。今思い出しただけでもカッコいい(´∀`)
遠くに意識を飛ばしながらニヤニヤしていると、
「パァン!」
目の前で小気味いい音が聞こえ我に返った。
「何処に意識飛ばしてんのよ玲。どうせそのニヤニヤした顔からして今日のこと思い出してたんでしょうけど。いい加減現実見ないと。今日みたいなことは多分もう2度と起きないんだし後ろばっか見てないで前向いて生きるよ!」
しかし、
「優香!私、新堂さんと付き合う!!」
「ハァア?
何言ってんの玲。ついに頭が...」
「ちょっと!そうじゃなくて、もし優香の言う通り幸運を使い切っちゃったならもう新しい人は現れないわけでしょ。それなら新堂さんと付き合えばいいんだよ!(私は天才か)」
「いや、ちょ、あれは例えで、そのくらい幸運だったんだよって言う...」
「私はもう決めた!絶対に付き合ってみせる。それに何とも思ってない相手の所にわざわざ来て心配なんて普通する?私なら絶対しない。つまりあっちも少しはこっちに気があるということ!別に私顔は悪く無い方だし、何だったら寧ろ良い!また希さんにお願いして連れてって貰えば、、、
『うるせーよ、あんた』
突然背後から怒りを含んだ低い声がした。