私達は結婚したのでもう手遅れです!
不意打ちだったにも関わらず、すぐに受け身をとれる勘の良さはさすが竜江だ。
両手で口をおさえ、こくこくと竜江は首を縦に振った。
カードキーを手にし、鍵をかけて外に出る。
羽花に鍵は渡していない。
矢郷玄馬がまだ羽花を諦めていないからだ。
しつこい男だ。
あんな奴に指一本触れさせてたまるか。
やり方が姑息なんだよ。
自分の妹を差し向けやがって。
俺がお前の妹で我慢できると思ってんのか?
クソが。
おかげで羽花にいらぬ不安を抱かせた。
礼華を俺の婚約者にしたのも全部、玄馬が仕向けたことだ。
たしかに礼華と俺が結婚すれば、矢郷と嶋倉の関係はこれ以上、悪くなることはない。
だが―――
「面白くねぇな」
「冬悟さん。凶悪な目付きになってますよ。世間の平穏のためにもメガネをかけといてください」
竜江がすっとメガネを差し出した。
「うるせえよ」
両手で口をおさえ、こくこくと竜江は首を縦に振った。
カードキーを手にし、鍵をかけて外に出る。
羽花に鍵は渡していない。
矢郷玄馬がまだ羽花を諦めていないからだ。
しつこい男だ。
あんな奴に指一本触れさせてたまるか。
やり方が姑息なんだよ。
自分の妹を差し向けやがって。
俺がお前の妹で我慢できると思ってんのか?
クソが。
おかげで羽花にいらぬ不安を抱かせた。
礼華を俺の婚約者にしたのも全部、玄馬が仕向けたことだ。
たしかに礼華と俺が結婚すれば、矢郷と嶋倉の関係はこれ以上、悪くなることはない。
だが―――
「面白くねぇな」
「冬悟さん。凶悪な目付きになってますよ。世間の平穏のためにもメガネをかけといてください」
竜江がすっとメガネを差し出した。
「うるせえよ」