私達は結婚したのでもう手遅れです!
考えても私は冬悟さんじゃないから、答えはでない。
とりあえず、着替えようとベッドから起き上がった。
どこにも私の着物は見当たらず、クローゼットルームで服を探すことにした。
クローゼットルームにはラフな服が一切ない。
トレーナーやパーカーは!?
スウェットとかTシャツはどこ?

「ど、どういうこと」

奥様が着るような服やレースが付いたようなひらひらした服ばかり。
もしや、これ全部冬悟さんの趣味……?

「ううっ……高そうだけど、これにしよう」

一番地味そうな白と黒の花柄ワンピースを選んだ。
そして、ウエストにリボンがついていて、きゅっとしまっているから細く見えるはず!
……幼児体型を気にしてのことじゃないよ?
もう全身バレてしまってるし―――って!
恥ずかしい、恥ずかしい!!
ばしばしと床を叩いた。

「……疲れた」

なにしてるんだろう。
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