私達は結婚したのでもう手遅れです!
やっぱり冬悟さんは優しい。
ちょっと乱暴な話し方になっても中身は同じ。
小豆を握りしめ、じーんっと感激していると冬悟さんは微笑んだ。

「今朝、羽花の父親から電話があった」

「お父さんから!?」

「心配していたからな」

お父さん……心配してくれていたんだ。

「元気な顔を見せておけば、安心するだろ。あと、俺達の結婚報告もあるからな」

「えっー!本当に提出しちゃったんですか!?」

「なんだ、悪いか」

「わっ、悪いも悪いですよっ?こういうのは夫婦二人で出しに行くものじゃないんですかー!」

「一緒に行きたかったのか?」

「そうじゃなくてっ!私の同意は……?」

いらひらと誓約書を目の前にちらつかせた。

「同意しているだろう?俺が嫌いか?」

「……き、嫌いじゃないですけど」

「じゃあ、いいな」

そう言ってまた誓約書を片付けた。
あ、あれ?どういうこと!?
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