私達は結婚したのでもう手遅れです!
「柳屋さん。いえ、お父さんと呼ばせていただいてよろしいでしょうか。実は私達は短い時間ですが、ほとんど毎日のように顔を合わせ、愛を育んできました」

私と冬悟さんが愛を育んでいた?
和菓子を買いに来ていた常連さんっていうだけじゃ……

「やっとプロポーズを羽花さんに受けていただき、籍も入れました」

「羽花!?」

父が私を見る。
事実なので否定のしようがなく、『そうなんですよ』とうなずいた。
親戚のおじさんがさっきより、かなりパワーダウンした。
ようやく落ち着いた口調で言った。

「いや、嶋倉さん。あなたは見たところ、かなりお金持ちで顔もよく、女性に不足していないだろう?」

むむっ!?それはいったいどういう意味?
隣のおばさんまで口を出してきた。

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