私達は結婚したのでもう手遅れです!
なぜ、俺の顔をのぞきこんだ?

「なんだ?」

無視したままもおかしいと思い、腕をどかして羽花を見た。

「眠っているのかと思いました」

「……眠ろうと思っていた」

「あ……すみません」

今日の羽花は自分の家から持ってきたパンダ柄のTシャツとパンダ柄のズボンをはいている。
オールパンダ。

「なんだ、そのパンダ柄のパジャマは。俺が選んだパジャマを用意してあっただろう?」

「このパンダ柄のパジャマは私の一番お気に入りなんです。すっごく落ち着くんです。冬悟さんもパンダに癒されてください。だいたい、あんな肌の露出が多いお色気パジャマは恥ずかしいです!」

ぶんぶんっと首を力いっぱい振って、反論してきた。
そのパンダ柄パジャマは恥ずかしくないのかよ……。

「俺が選んだパジャマのどこがお色気パジャマだ」

「わかってます。冬悟さんの色気に比べたら、私は足元にも及びません」

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