私達は結婚したのでもう手遅れです!
可愛いな―――そう思って、その頬に手を触れた。
羽花は強い。
俺が怖くないのだろうか。
昨晩、あんなひどいことをした俺を拒まないのか?

「今日もするんですか?」

そのセリフに思わず、手を止めた。

「お前っ……」

「夫婦になったんですから、覚悟はできてます!」

ガッツポーズをしてみせる。
なんだ、そのポーズと気合いは。

「なんの覚悟だ?」

「それはもうアレですよ。夫婦なんですからっ」

照れた羽花がどんっと体を突き飛ばしてきた。
それもけっこう強めに。

「しねえよ」

「そうですか……」

そう返事をした羽花の顔か残念そうに見え、内心動揺していた。

「なんだ?昨日みたいにされたかったのか?」

それとも、もっと先のことか?
意外と積極的だな。
俺はいつでもいいけどな。

「いいえっ!」

羽花は赤い顔で慌てだした。

「どうして私と結婚したのか、わからなくて」

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