私達は結婚したのでもう手遅れです!
ま、まさか、朝からキス!?
でも、新婚だからそれもありですよね……
わかってる。
私は妻だから。
むしろ、イチャイチャするのは大歓迎。
素直に目を閉じた。
指に冷たい感触がして、ちらっと薄目を開けてみると銀色の指輪が輝いていた。

「こ、これは!」

いわゆる―――

「結婚指輪だ」

私の手に同じ指輪を置く。

「羽花。俺の指にも」

まるで神聖な契約のように私は冬悟さんの指に同じ指輪をはめた。

「羽花。俺に誓いのキスをして」

「……わ、私からですか?」

「途中で目を開けたからな」

そんなのずるいですと思いながら、冬悟さんの綺麗な顔を近くに見ながらキスをした。
この距離で近寄ることを許された私は幸せ者だ。
優しいキスをして離れると、冬悟さんは背中を向けた。
一瞬だけ見えた冬悟さんの頬が赤くなって見えたのは気のせいだろうか。

「着替えてくる」

「はい」

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