私達は結婚したのでもう手遅れです!
「じゃあ、今日は我慢します」

お弁当箱を一つだけにする。
いつまで我慢すればいいですかと目で訴えかけたけど、スルーされた。
会社に連れて行ってくれないのは礼華(れいか)さんがいるから?
まさか私の見えないところでイチャイチャしているのでは?
ありえる。
私がいても腕を平気で組んでいたくらいだし、妻に気づかれなければ、愛人を作ってもオッケーだとか思われてる?
まさかっ!?

「何を考えているか知らないが、違うとだけ言っておこう」

「ひえっ!」

気づくと顔が近くにあった。
そして、味噌汁の火を止める。

「味噌をいれたら、沸騰させるなよ」

「あ、そうですね」

ぼんやりしている私の代わりに火を止めにきてくれたらしい。

「違うって言いましたけど、冬悟さんは私が考えていることがわかるんですか?」

「馬鹿の考え休むに似たり」

「ひ、ひどっ……!!」

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