私達は結婚したのでもう手遅れです!
向かい合わせに座ってスーツ姿の冬悟さんと朝食を食べた。
それがちょっとだけ幸せで、ほんの少しだけ不安にさせる。
私をいつもそばに置かないのは秘密があるからですよね?
いくらぼんやりしているからと言って、私だって薄々気づいてる。
冬悟さんが私になにかを隠していることくらい――――礼華さんのことに関わることだってことも。
いつ話してくれるのだろう。
ちゃんと話してくれますよね?
そう思いながら、黙って味噌汁を口にした。
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