私達は結婚したのでもう手遅れです!
第20話 悩んだ時はコレに限る
私と冬悟さんが暮らして三週間近くが過ぎた。
関係に変化は蟻どころか、ミジンコほどにも進展はなく、夜も同じベッドで眠るくらい。

「まさか早くも倦怠期……?」

そんなはずない!
ここ数日の私の暮らしを振り返ってみた。
私は矢郷組のことがあり、ほとんどマンションの外に出れず、出る時は冬悟さんと一緒でなければ、出ることはできない状況だ。
ボディガードだと思われる強面の人達がいつも見張りに付いている。
冬悟さんは素敵なレストランやクルージング、買い物に行ったりと私が退屈しないように気遣ってくれているのはわかる。

「倦怠期とは思えない……」

でも、会社には連れて行ってくれないのも事実。
冬悟さんは私に隠し事をしている。
だから、私達の間には壁がある。
見えない壁が。
そのせいか、結婚したという実感も薄かった。

『おかえりなさい、あなた。ごはん?お風呂?それとも私?』

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