私達は結婚したのでもう手遅れです!
「そうです。私の憧れの人だったんですけど、冬悟さんが私のこと好きって言ってくれて。私も好きになっていいんだなって思えたっていうか……。私のような平凡な人間を冬悟さんが好きってすごくないですか?」

「う、うむ……」

恋バナの相談に乗ってくれる相手がいなかったせいで、おじいちゃんにウキウキと語ってしまった。
そして、止まらない。

「それに見てください」

スッと指の結婚指輪を見せた。
この輝く銀色よ!

「指輪です」

「見ればわかるが」

「ただの指輪じゃないんです。結婚指輪です」

「うむ……そうだな」

私の言いたいことをわかってもらえたようで、おじいちゃんはなるほどと、うなずいてくれた。

「今日、ここにきたのは『柳屋』さんのお孫さんを冬悟が妻にしたと聞いたからだ」

「そうなんです。私達は結婚しました」

やっぱり!
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