私達は結婚したのでもう手遅れです!
あの親戚のおじいちゃんのほうがよっぽど(のろけ)話を聞いてくれたよ。
しーんとまた静かになってしまった。
冬悟さんと竜江(たつえ)さんは会議でいない。
私の護衛として待機しているのは仙崎さんだった。
ネバーギブアップ。
私はあきらめない。
しつこく仙崎さんに話しかけた。

「昔から冬悟さんはこんなにかっこよかったんですか?」

「そうです」

「やっぱり」

「はい」

モテモテだよね。
そんなの聞かずとしてもわかる。

「冬悟さんはバレンタインチョコ、いくつもらっていましたか?」

「小学生ですか。他に聞きようがあるでしょう」

「えっ!?じゃ、じゃあ、ラブレターもらってた数は?」

仙崎さんはサングラスをかけていて、そのサングラスの下がどんな目をしているか、わからなかったけど、哀れみの目で私を見ているような気がしてならなかった。

「言いたいことあるなら、言っていいですよ」

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