私達は結婚したのでもう手遅れです!
「はい。私と冬悟さんは結婚しました」

私の予定ではここで二人の間にバチバチと火花が散るはずだった。
それが、礼華(れいか)さんから、あっさりと無視された。
あ、あれー!?

「それで冬悟とは寝たの?」

一緒の布団でという意味ではないことはわかる。
こんなダイレクトに言われたら恥ずかしい。
もうちょっとオブラートに包んでもらえないかな。

「やっぱりまだみたいね」

顔を赤くした私を見て、鼻先で笑い飛ばされた。

「ち、ちがっ……違うような違わないような……」

「そんな体で冬悟が満足するわけないのよ」

「かっ、体の関係はともかく!私達はもう結婚したんです。恋人はなく、夫婦です。だから礼華さん、冬悟さんを誘惑するのはやめてくださいっ!」

言った!
私は言ったよー!
心の中で拍手が巻き起こっていた。
けれど、礼華さんの勢いは止まらない。

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