私達は結婚したのでもう手遅れです！

緊張感があったのはなぜだろう。
それに仙崎さんは礼華さんに遠慮をしている。
ヤクザの娘だから？
でも、それにしては親しげな感じだった。
昔からのつきあいのような。
もしかして、冬悟さんは―――

「スマホが鳴ってますよ」

答えが出る前にスマホの音が鳴り響いた。

「あ、すみません」

家に戻った時、スマホも持って出てきた。
ないと不安だし。
画面を見ると妹の百花(ももか)からだった。
メッセージが入っていた。

『話があるの。お店にきて』

頭の中が闇鍋状態なところにまた新しい具が追加された。
次から次へと問題が起こりすぎだよー！
『柳屋』でなにかあったのかな。
もしかして継母が帰ってきたとか？

「すみません。仙崎さん。お店でなにかあったみたいで。『柳屋』に行ってもいいですか？」

「冬悟さんに確認してきます」

「はい」